雨水_令和2年2月19日から3月4日まで
雨水_梅祭り
雨水は、山の雪が溶けて川に流れ出すころです。
この時候は農耕の準備を始める時期とされていました。
この田畑に潤いを与える雪解け水を〈雪汁/ゆきじる〉と呼ぶそうです。
そして、そろそろ梅が見頃を迎えます。
東京湯島の湯島天神では2月8日から3月8日まで〈梅祭り〉が催されています。
天神さまは〈菅原道真/すがわらのみちざね〉をお祭りしていますが、道真公が京を追われ太宰府に赴く際に庭の梅に詠んだ「東風ふかば においおこそせよ 梅の花 あるじなしとて 春を忘るな」は、梅の花を見ると思い起こされる歌です。
道真以前に太宰府の長であった〈大伴旅人/おおとものたびと〉が、この時候に新年の宴を開き、その際趣向で詠んだ歌が「我が園に 梅の花散る ひさかたの 天より雪の 流れくるかも」で、また客であった〈山上憶良/やまのうえのおくら〉の歌「春されば まづ咲くやどの 梅の花 ひとりみつつや 春日暮らさむ」など、この宴の際の三十余首が『万葉集』に遺っています。
そして、この大伴旅人の宴に関して万葉集に記されている序文が新元号〈令和〉の出典となっています。
ですから〈令和〉と梅の花は切っても切れない間柄となります。
菅原道真公の怨念まで関わらなければ良いのですが_
雨水の特集は、暖冬とはいえ、まだ寒き時候を乗り切るためのフレンチあったかレシピ「炊飯器を使った火入れ」「あったかフレンチ」「肉をローストする」の三本立です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹