1. ジョンキョンファ人参を使って

  2. アンチョビを効かせて

  3. クレソンを添えて

  4. フレンチで春野菜

  5. 野﨑洋光続 熱燗の肴

  6. 春中華

  7. 白菜使い

  8. 基本の出汁野﨑洋光

  9. 古賀純二のソース

  10. 雑煮 三題

  11. 江戸のおせち壱山﨑美香

  12. 江戸のおせち弐山﨑美香

  1. 蚯蚓出る 切り干し大根編

  2. 霜止出苗 アンチョビ編

  3. 鴻雁北 蕨編

  4. 雀始巣 浅葱編

  5. 土脈潤起 鱵編

  6. 桃始笑 独活編

  7. 東風凍解 小松菜編

  8. 款冬華 カリフラワー編

  9. 芹乃栄 白子編

  10. 閉塞冬成 ローズマリー編

  11. 鱖魚群 青梗菜編

  12. 金盞香 水菜編

  1. 料理人街

  2. 日本料理 Japanese

  3. フランス料理 French

  4. イタリア料理 Italian

  5. 中華料理 Chinese

  6. 韓国料理 Korean

  7. ベトナム料理 Vietnamese

大雪

大雪_令和4年12月7日から令和4年12月21日まで

あえ(饗)のこと

大雪_降雪地方では本格的に雪が降りだす頃です。そろそろ、雪から木を守るために縄を張る〝雪吊り〟が始まります。

2020年の大雪にもご紹介しましたが、奥能登地方(輪島市、珠洲市、穴水町、能登町)には、古くから伝わる「あえ(饗)のこと」という農耕儀礼があります。
稲作を主る田の神様を祀るもので、「あえ(饗)=ご馳走」の「こと=祭り」と意味します。

稲の収穫後の十二月五日頃に、農家の主人が紋付袴姿の正装で、田の神様を家に招き入れて、風呂にお入りいただいたり、食事を供して、春になるまで家の中で過ごしてもらいます。
そして、春の耕作前の二月九日に、再び風呂へご案内、食事を供して田んぼへとお送りして豊作を願うというものです。

「あえのこと」は、奥能登地方の稲作農家にとっては重要な儀礼で、1976年に国指定重要無形民俗文化財に指定され、2009年にはユネスコの無形文化遺産に登録されました。

儀式の内容や順番は各農家によって違うようで、ある家では一般的に縁起の良い米を蒸して作る「赤飯」は、「蒸し=虫」と稲に悪いもの(虫)につながるため避け、「小豆ご飯」を供えたり、他家では「田が焼ける」(干ばつ)を思い起こさせるから「焼き魚」を供えないというなど、食事にも家々の特徴があるようです。

また、田の神様は夫婦の神であるので、座布団などはの支度が必ず二人分用意されます。

前候の「小雪」では、東北地方や北陸地方の、晩秋の収穫後十一月十六日に田の神様が山に帰られる時と、耕作前の三月十六日に16個の団子をお供えするという「十六団子の日」を紹介しましたが、同じ北陸地方でも、山へお帰りになるのを見送るのと、かたや家の中に招き入れて春まで過ごしていただくという、この田の神様を祀る方法の違いには、大変な面白さを感じます。

今回の特集は、イタリア料理特集「薮崎友宏 冬の薬膳」とシェフの知恵は「橘始黄 豆乳編」です。

『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹