寒露_令和5年10月8日から令和5年10月23日まで
六日の菖蒲、十日の菊
寒露_草木の葉に落ちた露の玉が冷たくなる頃、あたりの空気は澄みきり、月が冴え冴えと空に浮かびます。
1年のうちの五節句にはそれぞれ決まりの「ゆかりのもの」があります。
一月七日「人日」には若菜・七草(若菜)粥、三月三日「上巳(雛祭)」には桃の花・白酒、五月五日「端午」には菖蒲・粽、七月七日「七夕」には天の川・索餅(素麺)、九月九日「重陽」には菊・菊酒などです。
しかし、これは旧暦に沿ったものですので、新暦の現代では節句の時期には若菜や桃の花、菖蒲、天の川、菊などの盛りの時期とはなりません。
旧暦と新暦には約1ヶ月の差がありますが、これとて一定ではありません。旧暦は月の満ち欠け月齢で暦を定めましたので、太陽暦の新暦とは進行が異なるためです。
例えば旧暦九月九日「重陽」は、昨令和四(2022)年は十月四日でしたが、今年令和五(2023)年は十月二十三日、来年の令和6(2024)年十月十一日と毎年かなりずれます。
物事を行なうべき時期を逸することや、タイミングを逃すことを「六日の菖蒲、十日の菊」と云います。
これは五月五日であるべき端午の菖蒲が六日に、九月九日にあるべき重陽の菊が十日になってしまった、なんとも間の抜けた状態を指します。
現代で例えれば12月26日のクリスマスケーキといったところでしょうか。
暦の定め方が変わって、いた仕方ないことなのですが菊酒を呑んで〝なんだかなー〟という気分です。
今回の特集は中国料理特集「飯田徹也のキノコ料理」とシェフの知恵は「水始涸 舞茸編」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹