立冬_令和5年11月8日から令和5年11月21日まで
山粧う
立冬_また暦が冬に巡ってきました。山や里に冬の気配が漂ってくる頃ですが、ふいに暖かくなる日もあり、季節の移ろいの狭間〝冬隣〟である頃です。
新芽が出てくる爽やかな春の山の様子を〝山笑う〟と言い、新緑で青々とした夏の山は〝山滴(したた)る〟冬の枯れて静かな山は〝山眠る〟、そして紅葉に燃えるような真紅に染まる秋の山を〝山粧(よそお)う〟と表現します。
また「故郷やどちらを見ても山笑ふ_正岡子規」のようにそれぞれが季語となっています。
これらは北宋の画家・郭煕(かくき)の著『画品』「春山淡冶にして笑うが如く、夏山蒼翠として滴(した)たるが如し、秋山明浄にして粧うが如く、冬山惨淡として睡(ねむ)るが如し」に由来します。
四季折々の山の息吹を愛でる感覚は共通のものです。
この情緒に旬の食べ物が加われば、他に必要なものはありません。
今回の特集はフランス特集「音羽創のソース」とシェフの知恵は「楓蔦黄 キャベツ編」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹