処暑_令和5年8月23日から令和5年9月7日まで
桃吹く
処暑_暑さが処〈おさまる〉頃という時候。実際には暑さの盛りでもありますが、そこは季節と暦の先取りということで。
この時期には綿の実がはじけて、コットンボールが顔を出す頃です。
これを「綿吹く」と呼び、コットンボールの形状が果実の〝桃〟に似ていることから別名「桃吹く」とも言います。
「桃吹く」は初秋の季語としても使われるようです。
コットンボールは摘まれてから種を除かれ、〝綿打ち弓〟という道具でほぐされてから糸に紡がれます。
日本に綿が伝わったのは江戸時代とそんなに古くはありませんが、木綿として庶民の着物に広く用いられるようになりました。
しかし、そんな綿を栽培する産地はすでに日本からなくなってしまいました。
海外では、西インド諸島を主産地とする上等の綿花〝海島綿/シーアイランドコットン〟は絹のような光沢と肌触りが上質なものでしたが、こちらも消滅の危機にあるようです。
今回の特集は麺料理特集「夏の麺」とシェフの知恵は「 天地始粛 エシャロット編」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹