白露_令和5年9月8日から令和5年9月22日まで
秋津洲
白露_昼間暖かく、夜に冷える季節には露を結びやすくなります。早朝、草花の葉に結ぶ白い露は清々しい初秋の気配です。
初夏から秋にかけて野原を群れなして飛んでいたのが〝蜻蛉/トンボ〟です。
日本に生息した蜻蛉の種類は約二百種にも上ったそうです。
『日本書紀』に、神武天皇が国見山から大和国を見渡して「秋津(蜻蛉)が交尾しながら飛んでいるような山や丘の連なりだ」と言ってので、大和の別名が〝秋津洲(あきつしま)〟となったとあります。
また、蜻蛉は盆の頃に飛来してくることから、先祖の霊が姿を変えてやってきたものと考えられ、捕まえたり殺すことが禁じられました。
さらに、稲の害虫などを捕食する蜻蛉は益虫、幸せを運ぶ虫だと大切にされました。
それが東北地方では、うたた寝をしていた男の口元に蜻蛉が止まり、その後を追って行くと美味い酒が湧いる場所があり、その酒を売ったところ男は長者(金持ち)になったという『蜻蛉(だんぶり)長者』などの民話になって遺っています。
このように古から日本人に愛されてきた虫が〝蜻蛉です。
今回の特集は日本料理特集「和の旨味 椎茸」とシェフの知恵は「禾乃登 山芋編」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹