芒種_令和元年6月6日から6月21日まで
芒種(ぼうしゅ)の芒(のぎ)とは、稲や麦などの穂の先にある細く尖った毛・棘のことをさします。
梅雨の時期となるこの時期に、農家では作物の種を撒ます、特に稲作では大事な田植えの時期となります。
蟷螂生/かまきりしょうず
芒種の初侯(6月6日から9日)は蟷螂生です。
この時期に、かまきりが卵から孵化します。かまきりは農作物を荒らすことなく、逆に害虫を捕食してくれるという農家にとっては大変ありがたい虫です。
中国の故書『荘子』にある「蟷螂その肘を怒らして以って車轍に当たる—(蟷螂は、斧を振り上げて車の車輪に立ち向かおうとする—)」は、身の程もわきまえずに巨大な敵に立ち向かうという意「蟷螂の斧」のことばの出典となっています。
「蟷螂の斧」と聞くたびに〈ラマンチャの男〉ドン・キホーテが、愛馬ルシナンテとともに巨大な風車に突撃する姿を思い浮かべてしまいます。「蟷螂の斧」とは、はかない抵抗への戒めの言葉でしょうが、なぜか我が身と重なり合い親近感を持ってしまいます。
爽やかな苦味がクセになるゴーヤ(苦瓜)
この時候としてはほんの少し早い〈ゴーヤ〉を「シェフの知恵/芒種の旬菜」として取り上げました。
料理塾担当は、西麻布はベトナム料理の名店「キッチン/Kitchen」の鈴木珠美シェフです。
料理は南ベトナム料理「ゴーヤと卵の炒め物」一年を通して温暖な地域のスタミナ料理です。
沈みがちな梅雨の気配を元気にして食欲を増す1品をお楽しみください。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹