穀雨_令和4年4月20日から令和4年5月4日まで
恋から子猫
穀雨_穀物を育てる準備ができて、そこに春の恵みの雨が降るという時候です。
春分の前あたりの時期の季語に〈猫の恋〉があります。
陽気の良くなった春先に、猫に盛りがついて、艶かしい声を上げるさまを猫の恋と表したものです。
その結果、2ヶ月ほど経ったこの時期に子猫たちが生まれるため、必然的に〈子猫〉がこの時期の季語となりました。
江戸時代の俳諧師〝宝井其角(きかく)〟に
「猫の子の くんずほぐれつ 胡蝶かな」
というものがあり、子猫がひらひらと舞う蝶を追いかけて遊んでいる姿が目に浮かびます。
酒好きだった其角が縁側あたりで一杯呑りながらそれを眺めている、のどかな春の日が浮かんできて、こちらまで心地よくほろ酔いしそうです。
今回の特集は、ベトナム料理特集「鈴木珠美の春の一皿」とシェフの知恵は「虹初見/芹編」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹