霜降_令和4年10月23日から令和4年11月6日まで
初雁
霜降_山に霜が降りる候。この霜が十二月頃には野に降りてきて、本格的な冬の到来を告げます。
霜降の季節の頃は、〈渡り鳥〉の季節となります。
鶴や雁、鴨がやって来るのを観て、むかしの人々は秋が深まるのを知り、冬の前触れを察知するのでした。
春には「うぐいす」の、夏には「ほととぎす」の声が、季節の到来を告げますが、晩秋の音は「雁」です。「雁」の漢字の成り立ちは〝ガン〟という声の音からですが、日本では雁の声を「かりがね」と呼んでいたのが、やがて雁自体を指すようになり、雁は「ガン」から日本風の「かり」となりました。
雁聞きに京の秋に赴かん
と芭蕉が詠んだように、雁は空をVになって群れ飛ぶ姿よりも、その声を愛された鳥のようです。
今回の特集は、フランス料理特集「髙橋雄二郎 秋の一皿」とシェフの知恵は「蟋蟀戸在 蕪編」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹