雨水_令和4年2月19日から令和4年3月5日まで
梅切らぬ馬鹿
雨水_雪が溶けて流れ、山の樹木に滋養を与える頃です。
雪に包まれることによって、寒さから守られてきた〈蕗の薹〉が出始めるのもこの頃です。
この時候の花に梅があります。
梅はもともと日本に自生していたものではなく、中国から渡ってきた樹木で、「うめ」というよみも〝訓読み〟ではなく「バイ」と同じく中国読みの音「メイ」が「うめ」と変化したものです。
梅については、幼い頃に祖父から聞かされた
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿、柿折らぬ馬鹿」
という言葉が頭にずっと残っています。
まあ、子供心に〈馬鹿〉の三連発が面白く意味も分からず覚えていたのですが、
「桜の木は弱く、むやみに切ったり折ったりすると、そこから傷んで枯れることがある。梅の木は、成長が早いため剪定をして間引いたほうが良い。柿の木は、一度実を付けた枝はもう実を付けないので、実を取るときに折って、他の枝に養分がいくようにする」
という本来の意味を知ったのは、ずっと後の大人になってからでした。
今回の特集は、日本料理特集「野﨑洋光 一汁三菜の参」とシェフの知恵は「鶏始乳/蒟蒻(こんにゃく)」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹