雨水_令和5年2月19日から令和5年3月5日まで
東風と梅の花
雨水_降り積もった雪が解けて大地を潤す候です。この潤いが草木の新たな息吹を生み出します。
そろそろ梅の花の季節となります。
梅の花を見ると、どうしても菅原道真の「東風吹かば にほひおこせよ梅の花 あるじなしとて 春を忘るな」の歌が頭に浮かびます。
権力闘争に敗れ、京の都から福岡の太宰府に赴く無念の情を残していく梅の木に語りかけているようです。
道真は太宰府に流された翌々年に当地で没し、その後怨霊となって京の街に疫病をもたらしたと恐れられました。
この時候の季語「東風/こち」は〝春を呼ぶ東から吹く風〟のことですが
一茶に「亀の甲 並べて東風に 吹かれけり」という句があり、こちらは、亀たちが東風にあたりながら甲羅干しをしている風景が浮かんで、なんとも平和な様子です。
今回の特集は日本料理特集「野﨑洋光の煮魚」とシェフの知恵は「魚氷上 山椒編」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹