立夏_令和2年5月5日から5月19日まで
立夏_この日から立秋の前日までが暦の上では「夏」となります。
また端午の節句でもあります_この日には鯉のぼりをあげ、柏餅や粽を食べて、菖蒲湯に浸かります。
鯉は滝を登りやがて龍となって空を駆け巡ると伝えられ、菖蒲は尚武(武が尚る)、勝負の音と重なるため縁起が良いと、端午の節句は江戸時代から男の子の節句とされました。
しかし、本来旧暦では田植えの時期にあたり、地域で選ばれたその年の田植え女〝早乙女〟が、田植えの前日に菖蒲の葉を葺いた小屋に籠って禊(みそぎ)をしてから田植えに臨んで、田の神に豊作を祈るという農耕儀式でした。
よく「江戸っ子は皐月の鯉の吹き流し、口先ばかりで腑(はらわた)は無し」と云われますが、威勢の良い江戸っ子の罪のない啖呵はよろしいですが、最近日本国の偉い方に腑がないのには困りものです。
「目に青葉、山ホトトギス、初鰹」と詠ったのは山口素堂ですが、
江戸っ子の会話に「えっ、もう聴いた。おらあ、もう喰ったぜ」というのがあります。
ツレが〝おらあ、もうホトトギスの鳴いたのを聴いたぜ〟と自慢したのに〝なに云ってやがる、おらあもう初鰹を喰ったぜ〟と返したという会話です。
江戸時代、初鰹は鎌倉の方から運ばれて大変高価だったようです。
「初鰹は女房を〝質〟に入れても喰え」なんていう、なんとも乱暴な言葉がありますが、それだけ江戸っ子は旬の食べ物に敏感だったということでしょう。
(女性の皆さん赦して_)
八十八夜も過ぎました。
早ければ来月にも新茶が出回ります。
今回の特集は、鈴木珠美シェフ「暦は夏、ベトナム料理特集」、山下敦司シェフの「素材の目利き特集」「生クリームについて/シェフの知恵」の3本です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹