立夏_令和3年5月5日から5月20日まで
内で喰う
五月一日は八十八夜でした_そして暦は夏となりました。
ご存知のように立春から数えて八十八日目が〝八十八夜〟ですが、この日は農作にとって大切な日です。
八十八は88歳の祝いの〝米寿〟と同じく、日本の農作物の基〝米〟という字を崩すと八十八となることから尊ばれる数字です。
この日を目安として、種籾を播いたり茶摘みなどの農作業が今でも行なわれます。
立夏の本日は「端午の節句」でもあります。
端午には節供として〝柏餅〟〝粽(ちまき)〟が用意されますが、主に〝粽〟は関西で〝柏餅〟は関東で好まれました。
〝粽〟の歴史は古く、平安時代から宮中の端午の儀式に使われていて『和名類聚抄/わめいるいじゅしょう』(1953年以前)という古文書にその作り方が記されているそうです。
一方、江戸っ子が好んだ〝柏餅〟は、ほとんどが自家製だったそうで、
「かしわもちあまくこしらへ内で喰う」
という川柳では、当時貴重であった砂糖を近所に配る分にはケチり、自分家で食べるものは甘く作ったと歌っています。
見栄っ張りの江戸っ子にも、それほど砂糖は貴重であったということでしょうか。
今回の特集は、日本料理特集野﨑洋光料理長の「鶏四題」と、シェフの知恵「包丁の選びかた扱いかたについて」「鶏肉/かしわ」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹