雨水_令和3年2月18日から3月4日まで
春寒/余寒_はしりと名残り
立春を迎えてもまだまだ二月は寒い時期ですが、この時期の寒さを、日本人はあえて春の寒さ「春寒」と季節の先取り〝はしり〟を、また「余寒」と冬の寒さの余韻である〝名残り〟として表現してきました。
この「余寒」に対する言葉が、立秋以降の暑さ「残暑」です。
暑さは残り、寒さは余ると区別する日本語の魅力のひとつです。
水に落ちし 椿の凍る 余寒かな_高井几董(たかい きとう/蕪村門下)
この時期の生菓子に「椿餅」がありますが、この菓子は『源氏物語』に貴族が蹴鞠(けまり)の遊びの後に食べる定番の菓子、という記述があるほど古いものです。
平安時代の貴族に思いを馳せながらいただくのも、この季節の楽しみのひとつです。
今回の特集は、韓国料理特集「熱々コリアン」とフランス料理特集「フレンチの貝」の2本立と、シェフの知恵「魚氷上/蛤編」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹