啓蟄_令和2年3月5日から3月19日まで
啓蟄_水温む
湖・池・川の水が温(ぬく)み、水に棲む動植物や虫たちも同時に目を覚ます時候です。
〈啓蟄〉の〈蟄〉は、虫蛇の類が冬ごもりをすることを表し、「かくれる・とじこもる」という意味を成します。
〈啓〉は「ひらく」という意味から、「閉じこもるのが開かれる」ということで、〈啓蟄〉は虫蛇の類の冬ごもりの終了を示します。
春は多くの虫が蠢(うごめ)きだす頃です。
しかし、昆虫だけにではなく両生類の〈蛇〉や〈蛙〉、貝類〈蛤/はまぐり〉〈蜆/しじみ〉、軟体動物〈蛸/たこ〉などにも虫偏が付いているのはなぜでしょう。
それは、本来〈虫〉とは蛇の「まむし」のことを指し、昆虫の総称は〈蟲〉という字であったのが、いつの頃からか略字として〈虫〉が使用されるようになって、〈虫偏〉は昆虫に限らず蛇より小さい小動物全般の漢字に付けられるようになったからです。
また〈蟄〉の字からは、時代劇や小説などで武家が受ける「蟄居閉門(ちっきょへいもん)に処す」という台詞を連想します。
家居して世に出ぬことやその刑罰を「蟄居/ちっきょ」と呼びますが、この時期、コロナウィルス感染予防で日本国民が「蟄居」している状態です。
家内で鬱々とせず、こんな時こそご家庭で美味しいものをたくさん食べて活力を養いましょう。
楽しい食事こそ、最強のウィルス感染予防対策です。
啓蟄の特集は、啓蟄前3月3日の上巳の節句_女の子のお祭り「雛まつり」にちなんでのスイーツ特集「和の甘味」「フレンチのデセール」「イタリアンドルチェ」「中華の甜品」「ベトナムのチェー」の五本立です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹